10月から最低賃金が上がる、というニュースを見ました。
パート先の時給も上がるようです。
ありがたい話のはずなのに、なぜか気持ちが動かない。
どうせ数十円でしょう、と思ってしまった。
そんな感じではないでしょうか。
結論から言うと、その感覚は正しいです。
ただ、金額が小さいからではありません。
上がる場所が「1時間の値段」だけだからです。
そして今回の改定には、使いかたが1つあります。
増えた分をそのまま暮らしに溶かすのではなく、働く時間のほうを買い戻すという使いかたです。
全国平均の数字で計算すると、月におよそ3.8時間が浮きます。
この記事では、2026年10月からの最低賃金がいくらになるのかを公表資料で確認したうえで、増えた分で時間を買い戻す手順と、その時間を何に置くかの判断基準をお伝えします。
読み終えたら、自分の時給で同じ計算ができる状態になります。
最低賃金は2026年10月から全国平均1,177円になります
まず、事実だけを置きます。
厚生労働省が2026年9月3日に公表した資料によると、47都道府県すべてで地域別最低賃金の改定額が答申されました。
- 改定後の全国加重平均額 1,177円
- 前年度(1,121円)からの引上げ額 56円
- 引上げ額の幅 47都道府県すべてで54円から65円
- 最高額 1,280円 / 最低額 1,085円
- 発効予定日 2026年10月1日から12月2日までに順次
この56円という引上げ幅は、目安制度が始まった昭和53年度以降で2番目の高さです。
金額としては、決して小さくありません。

最低賃金が56円上がると、パートの月収はいくら増えるのか
では、実際にいくら増えるのかを出します。
月に80時間働いているとします。
週に20時間ほど、扶養の範囲で働くかたに多い時間数です。
時給が56円上がるので、増える額はこうなります。
- 1か月 56円 × 80時間 = 4,480円
- 1年 4,480円 × 12か月 = 53,760円
年間で5万円を超えます。
これは素直にうれしい数字です。
ただ、ここで1つだけ確認しておきたいことがあります。
増えるのは、働いた時間の分だけです。
体調を崩して1週間休んだ月は、その分がまるごと減ります。
子どもの行事でシフトを削った月も同じです。
上がったのは1時間の値段であって、あなたが使える時間の数ではありません。
収入が「時給 かける 時間」でできているかぎり、片方には最初から上限があります。
1日は24時間しかなく、その中で自由に動かせる時間はもっと少ないからです。

結論 増えた56円は、月およそ3.8時間を買い戻せます
ここからが本題です。
増えた分の使いかたは、2つあります。
1つは、そのまま収入を増やすこと。
もう1つは、収入を去年と同じに保ったまま、働く時間のほうを減らすことです。
後者を計算してみます。
全国平均の数字を使います。
- 去年 1,121円 × 80時間 = 89,680円
- 今年 89,680円 ÷ 1,177円 = 約76.2時間
つまり、月に76.2時間働けば、去年80時間働いたときと同じ金額になります。
差は3.8時間です。
月におよそ3〜4時間、週にすると1時間弱。
この時間は、手取りを1円も減らさずに空けられる時間です。
言いかたを変えると、今回の改定であなたが受け取ったのは、お金だけではありません。
月に3.8時間ぶんの選択権も一緒に受け取っています。
そして、ここを決めないまま10月を迎えると、この3.8時間は消えます。
増えた4,480円も、たいてい生活費に吸われて記憶に残りません。
私も昔、昇給のたびに同じことを繰り返していました。

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増えた時給で時間を買い戻す3ステップ
全国平均のままだと自分の数字になりません。
3ステップで、自分の時給に置き換えます。
STEP1 自分の都道府県の改定額と発効日を調べる
引上げ額は54円から65円まで幅があり、発効日も10月1日から12月2日の間でばらばらです。
厚生労働省のサイトで都道府県ごとの一覧が出ています。
自分の県の新しい額と、いつから変わるのかをメモしてください。
STEP2 増える差額を、新しい時給で割る
計算は1回だけです。
「上がる額 かける 月の労働時間 わる 新しい時給」で出ます。
たとえば60円上がって月90時間働いているなら、60 かける 90 で5,400円。
これを新しい時給で割ると、およそ4.5時間です。
これが、手取りを減らさずに空けられる時間です。
STEP3 その時間を、先にカレンダーへ置く
余ったら使う、では消えます。
曜日と時刻を決めて、先に予定として入れてください。
週に1時間なら、土曜の朝でも、平日の夜でも構いません。
大事なのは、家事や本業の残りではなく、最初から確保された枠にしておくことです。
ここまでで、月に3〜4時間の空き枠ができました。
次は、その枠に何を置くかです。
注意点 ここを取り違えると来年も同じ計算になります
時給が上がるのは、いま最低賃金の近くで働いているかたです。
すでに新しい額を上回っている場合、自動で上がるとは限りません。
自分の時給と、県の新しい額を並べて確認してください。
シフトを減らすかどうかは、必ず勤務先と相談してください。
この記事の計算は、時間を減らしても手取りが変わらないという事実を示したものです。
勝手に休むという話ではありません。
扶養の範囲で働いているかたは、同じ時間でも年収が増えます。
時給が上がると、シフトをそのままにしていても年収の見え方が変わります。
判定の条件は勤務先の規模などによって違うので、個別の判断は勤務先か年金事務所、税務署、税理士に確認してください。
浮いた時間を、その場で消える作業に使うと来年も同じです。
ここがいちばん大事です。
空いた3.8時間で別のパートを増やすと、また時給 かける 時間の計算に戻ります。
金額は増えますが、来年の自分は今年より楽になっていません。
買い戻した時間の置き場所を見分ける3つの条件
では、その枠に何を置くのか。
選ぶ基準は3つです。
1つめは、売る物を自分で持たなくていいか。
仕入れも在庫も発送もない形なら、金額が伸びても作業は増えません。
人の商品を紹介する形が、これに当たります。
逆に、物を仕入れて売る形は、売れた翌日にまた探しに行くことになります。
私は一度そこで止まりました。
2つめは、出したものが残るか。
先週書いたものが今週も読まれている状態なら、週1時間でも積み上がります。
出した瞬間に流れて消える形だけを続けると、毎週ゼロから走ることになります。
3つめは、いちばん重い下ごしらえを、自分以外に渡せるか。
ここが最後の分かれ目です。
1つめと2つめを満たしていても、調べて比べて並べる時間が毎回のしかかるなら、週1時間ではとても終わりません。
そして3つめの答えが、AIです。

AIに渡していい作業と、渡してはいけない作業
全部を任せる話ではありません。
渡す範囲を間違えると、時間だけが浮いて何も身につきません。
渡していいのは、こういう作業です。
- 紹介できそうな候補を探して一覧にする
- 条件や評判を横に並べて、比べられる形にする
- 調べた数字を読みやすく整理する
- 説明の下書きを起こす
渡してはいけないのは、こちらです。
- 結局どれを紹介するか
- 誰に向けて書くか
- 自分が実際に使ってどう感じたか
判断と体験は手元に残します。
この線を引いておくと、週1時間しか取れなくても、下ごしらえで潰れることがなくなります。
私の場合、いちばん時間を食っていたのは書くことではなく、調べて比べることでした。
そこを渡した週から、同じ1時間の中身が変わりました。
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よくある質問
最低賃金は2026年10月からいくらになりますか
厚生労働省が2026年9月3日に公表した答申の内容では、改定後の全国加重平均額が1,177円、前年度からの引上げ額が56円です。ただし金額は都道府県ごとに違い、最高額は1,280円、最低額は1,085円です。発効日も10月1日から12月2日までの間で順次となっているため、自分の県の一覧を確認してください。
時給が上がっても手取りが増えた実感がないのはなぜですか
上がったのが1時間の値段だけだからです。収入は時給と時間の掛け算でできていて、時間のほうには1日の長さという上限があります。掛け算の片方だけが少し伸びても、体感が変わりにくいのはそのためです。
時間を買い戻すという考えかたは、収入を減らすことになりませんか
計算上は同額です。全国平均で見ると、去年80時間で得ていた金額は、今年は76.2時間で並びます。減らした3.8時間を、あとにも効き続けるものに置けるかどうかで、来年の数字が変わります。
パソコンが苦手でも、週1時間で何かできますか
できます。最初にやることは、調べる作業と決める作業を分けることだけです。重いほうを渡す前提にしておくと、実際に手を動かす部分はかなり小さくなります。使いかたは、渡す作業を1つ決めてから覚えるほうが早いです。
まとめ
2026年10月から、最低賃金は全国平均で1,177円になります。
前年度から56円の引上げで、発効は10月1日から12月2日までに順次です。
月80時間なら、増えるのは月4,480円、年で53,760円。
ただし上がったのは1時間の値段だけで、使える時間の数は増えていません。
今日からやることを3つに絞ります。
- 自分の県の改定額と発効日を調べる
- 「上がる額 かける 月の労働時間 わる 新しい時給」で、買い戻せる時間を出す
- その時間を、曜日と時刻を決めて先にカレンダーへ置く
置き場所の基準は3つです。
売る物を持たなくていいか、出したものが残るか、いちばん重い下ごしらえを自分以外に渡せるか。
3つめの答えがAIでした。
本気で来年の計算を変えたいかたへ。
売る物を持たずにネットで収入をつくる手順と、調べる作業をAIに渡す無料ツールをまとめて置いています。
今日、渡す作業を1つ決めるところから始められます。
参考にした資料は、厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(2026年9月3日公表)と、「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」(2026年7月28日答申)です。
都道府県ごとの金額と発効日は、厚生労働省の地域別最低賃金の全国一覧で確認できます。
